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機械式時計の使い方

正しい機械式時計の使い方


機械式の腕時計は、電池式のクォーツと使用上にかなりの違いがあります。
デリケートな機械式時計にはトラブルがつきものです。

機械式時計が持つ歴史や実用性能、複雑な機構に対する憧れ等の理由で購入しながらも、その後のケア等が不足しているのが現状です。

しかし”機械式時計の正確な特性や使用方法を把握することでトラブルを回避できるケースが多い”と高級機械式時計のオーバーホールや修理を手がける熟練技師達は口をそろえます。

なかでも”機構・防水・衝撃・磁気・経年劣化”に関する知識は機械式時計ユーザーによって必要不可欠です。
よってこの5大ポイントをユーザーの声や技師達の声を元に説明させていただきます。

【機構】
①買ったばかりなのに時計が動かない?
②電池交換の依頼?
③ゼンマイの巻きすぎによる故障。
④巻き上げ不足による時間の遅れや止まりを故障と間違える。
⑤機械式の精度とクォーツ式を比べられる。


クォーツ式時計(電池式)が主流の現代において初めて機械式時計を購入された方に多い機構に関するトラブルや問い合わせが①~⑤です。

電池を動力とするクォーツは放っておいても2~3年は動き続けますが、ゼンマイを巻く事で動力を蓄積する機械式時計は放置しておくとゼンマイがほどけて動作が停止します。

機械式時計はゼンマイが巻き上がった状態を前提に設計されております、よってゼンマイがほどけて動力が少なくなっていくのに比例して精度、持続力も低下していきます。

複雑な機構を備える機械式時計は高額な機種も多く、精度についても電波時計並みと思われている方も少なくありません。
しかし精度ではクォーツ式のようにはいきません。

機械式時計の特性として日差はどうしても発生します。機種によって異なりますが、±30-90秒程度はあります。

(注意)動力が少ない場合はそれ以上になる事もあります。また、巻き上げ不足による精度の低下を防ぐためにゼンマイを巻きすぎますと、ゼンマイが固くなりほどけていかなくなったり、切れたりして故障の原因となりますので、手で巻く場合は、ゆっくり巻いてください。
機械式時計には腕の振り等の振動によって自動でゼンマイを巻き上げていく自動巻き式やリューズを回転させゼンマイを巻き上げる手巻き式、手巻きも可能な自動巻き式等があり、機構によって動力維持時間が異なります。

機構ごとの特性を把握する事が機械式時計と付き合う第一歩です

【防水】
①ガラスがくもる?
②水侵入の原因の多くがリューズからの侵入です。
③汗、水や湿気は大きなトラブルを引き起こす大敵です。


3ATM/5ATMは日常生活防水であって、防水時計(強化防水)ではありません。
日常生活防水は、汗、水滴等を時計内部に侵入させない程度の防水機能です。
汗や水滴等でも直接リューズや接合部分にかかったりすると侵入する事もあります。
また防水表示とはあくまで静止した状態での計測値であり、これに動きが加わると時計には何十倍もの水圧がかかる事になります。

水侵入の原因の多くにリューズの締め忘れがあります。よって、洗顔や手を洗うだけでも時計を外すことをお勧めします。

時計にとって水や汚れは一番の大敵です。使用後そのままで放置しておくとケースに付着した汗や汚れが時計内部に浸透して故障の原因やくもりの原因になることがありますので使用後はきれいなやわらかい布等で拭いて保管してください。

温度差の激しいところで使用しますとガラスがくもる事がありますが、これは自然現象であって故障ではありません。


【衝撃】
①針が取れる。
②機械が止まる。
③プッシュボタンが正常に作動しない。


機械式時計が初めてのユーザーにとって一番の認識不足が衝撃についてです。現在は技術の発展により衝撃に強い、精度の高いクォーツ式時計も多く、機械式時計も同じような感覚で使用されるケースが多く聞かれます。多くの歯車の噛み合わせで複雑な構成をしている機械式時計は大変デリケートで、”衝撃”にもろいです。

誤って床に落としたりすると機械にかかる負担も大きく、歯車のかみ合わせが悪くなって止まったり、時間を示す針が取れたり、針が緩んでしまい針と針の隙間がなくなり摩擦によって時間を狂わせたり折れたりする事があります。
機械式時計はスポーツ時等の使用は不向きです。ゴルフのスイングをしたら時計が止まった等というケースも少なからず耳にします。衝撃を与える可能性のある場合は時計を外してください。

プッシュボタンは強く押したり連打したりすると、プッシュボタンの心棒は約0.01mm程度の太さですので折れたり曲がったりし、ボタン操作が不動になる原因になります。

基本として、あらゆる操作をゆっくりと丁寧に行っていくことで、これらのトラブルは未然に防ぐ事ができます。


【磁気】
①時計が止まってしまった。
②日差が規定精度以上に発生する。


携帯電話やパソコン等、時計の性能を狂わせてしまう機器が身の回りで激増しています。時計が止まってしまい、原因を調べたら”時計をつけたまま電気毛布を使用し、就寝してしまった”等の例もあります。
磁気に侵されないようにするには時計を外すしかありません。携帯電話の普及率と磁気によるトラブルが比例しているのは事実です。磁気を放つ製品が身の回りに沢山ある現状では、最低限時計を外して保管する時は、必ず磁気の無い場所で保管するようにしてください。

【経年劣化】
①ネジ等の可動部分の緩みや外れ。
②防水性の低下。
③精度の低下や止まり。
④文字盤や外装部分の変色等。


機械式時計は機械・ガラス・ベルト・その他外装部分は消耗部分ですので、使えば使うほど経年劣化を起こします。仮に使用していなくても機械の潤滑油が枯渇するため、時が経つほど機械にかかる負担も大きくなっていきます。動いているから大丈夫と思うのは禁物です。
車の車検と同じく、機械式時計を快適に末永く使うために、定期的な点検をお勧めします。




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